- 登記情報提供サービスについて
- 登記情報提供サービスで取得できる情報の種類
- 登記情報取得するために必要な地番の入手方法
日本国内において、土地の形状を把握するためには「公図」を取得することが一般的です。公図を取得するには複数の手段がありますが、インターネット経由で公図を取得することができる登記情報提供サービスを利用することができます。
本記事では、登記情報提供サービスの活用方法をわかりやすく解説します。土地の取引時に役立つ情報を詳しくご紹介します。
1. 登記情報提供サービスとは
登記情報提供サービスとは、法務局(登記所)が所有する全部事項、所有者事項、公図などの登記情報をインターネット経由で取得できるサービスです。
1.1. オンラインサービスを活用するメリット
インターネットで登記情報を取得できる大きなメリットには下記があります。
- 会社や自宅で登記情報を入手できる
- 煩わしい申請が少ない
- 登記情報の取得費用が法務局で入手するよりも安価
オンラインサービスの利用は、時間やコストを大幅に削減できるメリットがあります。例えば、法務局に足を運ぶ必要なく、会社や自宅から登記情報を照会できるため、移動や待ち時間に伴う負担が少なくなります。
1.2. 登記情報提供サービスの概要
登記情報提供サービスは、不動産の登記簿謄本や公図などの閲覧が可能なシステムの総称です。利用者は、個々の不動産の所在地や地番、所有者名といった情報を基に、詳細な登記情報にアクセスすることがでます。また、オンラインで申請することにより、所定の手数料を支払った後、電子データ(PDF)形式で情報を取得することが可能です。
1.3. サービス利用の手順と必要な条件
登記情報提供サービスを利用するには、まず登記情報提供サービスのサイトにアクセスし、ユーザー登録を行います。利用種別によって登録方法が異なるため、サイトに記載の情報に沿って登録を行います。
登録完了後、利用者情報が届きますので、必要な情報を入力して検索し、対象となる土地(不動産)の登記情報を取得します。
取得時には手数料が発生しますが、その支払いもオンライン上でクレジットカード払いで決済されます。
2. 登記情報提供サービスで取得できる登記情報
登記情報提供サービスで取得できる登記情報は下記の通りです。
登記情報提供サービスで取得できる登記情報は下記の通りです。
- 不動産登記情報(全部事項)
- 不動産登記情報(所有者事項)
- 地図情報:地図又は地図に準ずる図面
- 図面情報:土地所在図/地積測量図、地役権図面及び建物図面/各階平面図
- 商業・法人登記情報
- 動産譲渡登記事項概要ファイル情報及び債権譲渡登記事項概要ファイル情報
取得可能情報は変更される可能性がありますので登記情報提供サービスのサイトを確認して見てください。
2.1. 不動産登記簿(全部事項)
不動産登記簿とは全部事項とも呼ばれ、土地(不動産)の地番、面積、所有者、所有者の住所、土地の所有者などの遷移、抵当権、地上権の設定状況などを把握できる重要な情報となっています。
土地の売買、賃貸借に関わるとても重要な情報で、銀行などでも融資の際に重要になる情報です。
2.2. 不動産登記情報(所有者事項)
不動産登記情報は所有者事項とも呼ばれ、全部事項の中から土地の現在の所有者に関しての氏名や住所、地番、面積が記載されている情報です。
用途によって全部事項と所有者事項を使い分ける必要があります。取得費用にも差があるため、取得時には慎重に検討してください。
2.3. 地図情報
一般的に公図と呼ばれる情報になります。公図には地番はもちろん、どこからどこまでが土地の範囲なのかを筆と呼ばれる多角形(ポリゴン)で表示されいます。
取得できる形式はPDFのため、地図システム(GIS)などでの利用は基本的には難しいです。
登記所備付地図が法務省から無償提供が開始されましたが、現状では公図とのズレや、情報の古さなどが目立っており一部地域を除いては利用が難しい状況となります。今後の整備を待つ必要があります。
筆データをGISやGoogle Earthで利用できるShapefile(シェープファイル)やKMZ形式で入手したい場合は、弊社でも日本全国の情報を提供しております。
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弊社(株式会社ローリス)では、入手に時間と手間を要していた「地権者(所有者)」と「公図」の情報をオンライン提供しています。
法務局で入手できる全部事項証明書をデータ形式で入手できるだけでなく、お客様のご要望や目的に合わせた形で情報を整理し、データ納品することが可能です。
※本サービスは法務省公式の登記・供託オンライン申請システムAPIを利用してるのでセキュリティも安心です。
2.4. 図面情報
土地所在図/地積測量図、地役権図面及び建物図面/各階平面図などが入手できます。必ずしも用意されているものではないため、必要な場合は事前に確認をおすすめしています。
2.5. 商業・法人登記情報
商業・法人登記情報では、履歴事項の内容を取得できます。現存する会社の場合は履歴事項の全部。閉鎖した会社の場合には閉鎖事項を取得できます。
2.6. 動産譲渡登記事項概要ファイル情報及び債権譲渡登記事項概要ファイル情報
現在事項又は閉鎖事項の全部が取得可能です。
3. 地番の重要性
登記情報を取得する際に必ず出会う概念が地番です。この地番は字句の通り、地面に割り振られた番号のことを指しており、不動産登記上の位置情報を示す非常に大切な要素です。銀行でのローン申し込みから不動産の売買取引まで、幅広いシーンで用いられるため、ひとたび不動産と関係する事柄に触れるなら、地番を理解しておくことは重要なのです。
3.1. 地番の意味と重要性
法務局でも、登記情報提供サービスでも登記情報を取得する際には、必ず地番を指定して申請を行います。この地番が分からなければ登記情報の取得ができません。
土地の情報を調べる中でも最も時間を要する作業が地番の把握かもしれません。私も地番調査が最も時間を要してしまうことが多々あります。
3.2. 地番の把握方法
地番を把握するには大まかに下記の方法が存在します。
・役場に出向いて地番を確認する方法
・ブルーマップ(ゼンリン)を利用して調べる方法
・登記簿備付地図から調べる方法
・インターネットサービスを使って調べる方法
3.3. 役場に出向いて地番を確認する方法
登記情報を取得したい地域を管轄する役所に出向いて、該当する地域の地番を確認する方法があります。
多くは役場の市民課などで相談が可能です。管轄にするエリアが遠方な場合は大変な労力となってしまいます。
3.4. ブルーマップ(ゼンリン)を利用して調べる方法
株式会社ゼンリンが発行するブルーマップを利用する方法があります。書籍として販売されているため、最新の情報が必ずしも反映されていない場合があります。
3.3. 登記簿備付地図から調べる方法
法務省が提供を開始した登記簿備付地図を利用する方法があります。無料で公開されたため、調べたい範囲があればとても有益な情報になります。
しかしながら、整備されている地域が限定的で、公図とのズレがでてしまっている地域も多いため、利用には細心の注意が必要となります。
なにより、入手したデータを変換する必要があるため、ある程度GISなどの操作ができるだけの知識は必要となります。
3.4. インターネットサービスを使って調べる方法
地番を調べることのできるWebサービスは複数存在します。その中でも弊社でおすすめしているのがシカクマップになります。
シカクマップはGoogleマップ上に公図相当の地番地図を重ねたことで、視覚的に地番を把握、そのまま登記情報を取得できるサービスです。
株式会社ローリスはシカクマップの正規代理店です。
お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
5. まとめ
最後に本記事のまとめです。
- 登記情報提供サービスはインターネット経由で登記情報を取得できるサービス。
- 登記情報を取得するには地番が必要である。
- 地番を調べるには複数の方法があるので、用途によって使い分けるべき。
以上です。
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